感覚過敏がある場合のタッチケア
発達障害にタッチケアが有効なことは分かったけれど、
感覚過敏があって、ふれられるのが苦手な場合はどうしたらよいですか?
お子さんがふれられること自体無理だと思われる場合
そういう時は無理にふれなくていいです!
「さわれなければタッチケアできないじゃないか!」と思うかもしれませんが、
大丈夫です。安心してください。
皮膚感覚というのは、直接に物がふれなくても感じることができます。
火があったとして
直接ふれなくても、周りの空気が熱せられるとその温度を皮膚は感じます。
人がいるときもそうです。
とても近くにいたら体温を感じます。
<雰囲気>や<気配>を皮膚は感じます。
その場の雰囲気や人の性格を肌感覚で表す言葉はたくさんあります。
一つの部屋に怒っている人がひとりいると
場の雰囲気が悪くなりませんか?
「ピリピリした空気」とか「とげとげしい人」とか。
にこやかで穏やかな人がいると、
「なんとなく大丈夫」な気持ちになりませんか?
「ほっこりする」とか「あたたかい人」とか。
皮膚感覚が感情を左右することを知ることが、タッチケアの始まり
もしお母さんがお子さんと一緒にいて
「あ~あ~、またこの子のことで学校から電話があったわ。。。
もう、疲れちゃう」と思っているとしたら
お子さんは意識するとしないとにかかわらず
脳が<居心地悪い>と感じて
ストレスホルモン(コルチゾール)が増加するでしょう。
「何があっても、この子のことが大好きだわ」と思って側にいると
お子さんは意識するとしないとにかかわらず
脳が<安心する>と感じて
愛着ホルモン(オキシトシン)や幸せホルモン(セロトニン)が増加するでしょう。
だから
ふれるのが難しい場合には、
①まずお子さんの様子をじ~と観てみて(観察して)ください。
今比較的リラックスしているな、とか
集中しているな、とか
イライラしているな、とか
ただ観るだけでOKです。
②一緒の空間にいる時間を長くしてみてください。
お子さんがひとりで過ごせる時間は
親にとっても自分のことや家のことを済ませる貴重な時間ですが、

少しでいいので一緒の部屋で過ごす時間をもってみてください。
③ちょとづつ、お子さんとの物理的距離を縮めてみてください。
お子さんがゲームをしていたら、側にすわって親も好きなことをしましょう。
一緒にゲームをしてもよいし、本を読んでもテレビを見てもよいし、
親自身もリラックスした時間を側で過ごしてみてください。
④そのまま、身体の一部がふれあっている状態で一緒にただいてみてください。
二人が別々のことをしていて構いません。

もう十分タッチケアです!
ふれられることに抵抗感はないけれど、皮膚感覚の過敏がある場合
タッチケアは、肌と肌がふれあって行わなければ効果がない、というのは誤解です。
服の上からでも、布団の上からでも、まったく問題ありません。
グッズを使う
- お子さんが好きなタオルをかけて、その上からタッチする
- お子さんが好きな感触の手袋を親がつけて、その手でタッチする
- ミニカーやコロコロなどのおもちゃを身体に走らせるようにしてタッチする
- パペットと手につけてたっちする


グッズを使うと、お子さんにとっては遊びの感覚で、
タッチの時間が<親と楽しく過ごす時間>になります。
タッチケアをするということにこだわらずに
親も一緒に楽しくすごすことが大切です。
遊びの感覚でハイタッチ
朝の「行ってらっしゃい」
帰宅したときの「お帰り」
夜の「おやすみ」
「今日はつかれたね」
「今日は楽しかったね」
声をかけるときにハイタッチをしてみると、
大人も子どももちょっとわくわくしますよ。

ある小学校で<ハイタッチ係>があると聞いたことがあります。
クラスのチームワークがよくなりそうですね!