金農野球とオキシトシンの関係についての考察

あくまでも一野球ファンのひとり言
    金足農業野球へ感謝をこめて

甲子園2018100回記念大会

大阪桐蔭の偉業と

キャプテン中川君の涙の訳は

後世に語り継がれるに違いありません。

それ以上に見ている私たちを魅了したのが

金足農業野球部でした。

 

昨年の秋田大会決勝での敗退からのストーリーは、

普段野球にあまり興味のない人たちまで

甲子園にくぎづけにしました。

エースの吉田君に注目が集まりがちですが

メンバー全員に自分の持ち場がちゃんとあって

じわじわと魅力的なチームです。

「吉田となら甲子園に行けるかもしれない」と集まった仲間たち

(実際は甲子園出場どころか、ファイナリストまで登り詰めます)

 

全員が地元出身で

 

「おじいちゃん、お父さんが行った高校だから」入学した選手たち

 

孤高のエースから絶対的エースに変わっていくピッチャー

日替わりで生まれるヒーロー

フィクションでも思いつかないような試合展開

全力校歌

選手エピソードは素朴で

~菅原君は測量が得意とか

~子豚ナインが産まれたとか

~菊地彪吾君の背中のセミが離れない、とか

思わず応援したくなる要素がいっぱいです。

金農が勝ち進み注目が集まるにつれて、

選手たちやご家族のインタビューも流れるようになると

素の部分も伝わってきます。

 

マネージャーさんも菅原君のお母さんもおっしゃっていました。

「いっづも べたべたしてる」

 

キャプテン佐々木君

決勝戦翌日の早朝

「(吉田君に)感謝というか、ちょっとからみたくなりました。」

ベッドに潜り込む寝起きサプライズ

→騒ぎを聞きつけた全員が集合

→いつものわちゃわちゃ

 

菅原君

「(吉田君に伝えたいこと)一人で寝てくれ」

 

打川君にいたっては

「(吉田君に伝えたいこと)俺の身体は食べ物じゃない」

 

髙橋君

「(横浜高校戦 逆転3ランの打席に入る前) 

天空(←菅原君のなまえ)に背中たたいてほしいって言って、

たたいてもらいました」

 

(お母さんたちがみなさんびっくりするくらい美人です。

菊地彪吾君のお母さんは、お姉さんかと思いました。)

試合中も、喜ぶときはみんなで抱き合って、

ベンチでも肩を組んで応援、

励ますときには肩や背中、おしりをポン、

とにかくふれあっている時間がとても長い印象です。

 

並んでインタビューを受ける場面でも

隣同士 びたびたくっつくは、

わちゃわちゃ腕組むは、

すりすり密着して並んでいます。

(並び順左から 髙橋君 吉田君 佐々木君 菅原君 打川君)

腕を組んでくる髙橋君に

吉田君

「どーゆーごど?何これ?何これ?」

(みなさんの整列待ちです。。。)

佐々木キャプテンがしゃべろうとしているのに

キャプテンと菅原君挟んで その目の前で

吉田君

「打川 俺と手ぇつなごっ!」

打川君

「いや、いいです。大丈夫です。(冷静)」

”まだ(又)やってら。

しがだねぇなぁ。俺しゃべるどごなんだげど。”

みたいな佐々木キャプテンの顔が秀逸(苦笑)

とうとう小声で「はぁぐっ(速く)」

そして、ちゃんと前を向かせようとする菅原君

これが中谷監督の言う「いっづもこんなかんじ。」なのだろう。

いっつも

むにむに、つんつん、とんとん、はぐはぐ、

はむはむかみかみ(これは打川君か)

見ているだけで、聞いているだけで

微笑ましい。

 

 

仕事柄、

ふれあいが多いことでたくさんの目に見えない力が働いているに違いない!と思い、

ふれあうことで増加するオキシトシンと金農野球の関係について考えてみました。


オキシトシンとは?

オキシトシンというのは、

ホルモンであり、神経伝達物質であり、

人と人とのつながりを考えるうえで最も重要な物質です。

 

また、細胞と細胞をつないで

身体の中での様々なつながりを

促進する引き金となるような重要な物質です。

 

まず、オキシトシンの一般的な作用

人に接することを恐れなくなる

・知り合いをつくるのが得意になる

・人のことを気に掛けるようになる

・優しくなる

・仲間のつながりが強固になる

・誰かを守るために強くなれる

・絶対的安心感を感じる相手ができる

・居場所ができる

・不安が和らぐ

・ストレスに強くなる

・痛みに強くなる

・学習能力が上がる

・集中力がつく

・記憶力が高まる

・血圧、心拍が安定する

・傷の修復を促進する

・消化吸収がよくなる

・成長を促進する

・免疫力があがる

 

9人誰もかけることなく戦い抜くことができたのも、

オキシトシンの、自己治癒力の向上と修復力の速さに関わる働きのおかげかもしれません。

 

それから

ふれあうことでも増加するβエンドルフィンも関係ありそうです。

オキシトシン、ドーパミンと並んで3大脳内快楽物質の一つです。

 

記憶力、集中力、免疫力、共感力がアップします。

モルヒネの数倍のチカラがあり、

痛み止めとしても作用します。

 

成功や幸せを祈るということは?

前向きな時

笑っている時

感謝している時

オキシトシンとβエンドルフィンが増えます。

手の成功、相手の幸せを祈る時は

さらに増えると考えられています。

まさに金農野球

相手の成功、相手の幸せ、というところがポイントです。

相手の失敗、相手の不幸を願うと

コルチゾールというストレスホルモンが大量に分泌されます。

ということは

自分自身も傷つけてしまうということ。

どんなに劣勢でも笑顔でプレーしているのを見ると、

不安なんか微塵も感じていないように見えます。

仲間と自分を強く信じる強さがそうさせるのか、

言葉にしなくても

目を合わせれば肌感覚で分かりあっている強さが

そうさせるのか。

 

人のためが自分のためで、自分のためが人のため。

 

よくみんなが「吉田のために」と言って

吉田君が「今まで助けられたから」と言う関係。

 

自己犠牲感が強い悲壮感は全くなくて、

みんななんて楽しそうに野球をやるんだろう。

 

こういう関係性は短期間になかなか築けるものではありません。

U18が終わった時にそう思いました。

 

吉田君がひとりだけで輝いていたわけではなくて、

輝ける居場所が金農野球部にあって、

輝かせていたのが仲間たちだったのではないでしょうか。


名前が持つ意味

選手の名前の漢字が持つ意味がおもしろいなあと思いました。

絶対エースにしてオキシトシンの源泉

きらきら星3番吉田輝星

甲子園が始まる前

「侍のイメージでぶった斬る」と言っていましたが

力でねじ伏せるだけではない剛柔自在なピッチングは

圧倒的存在感。

幼馴染で輝星君の居場所になっているであろう

1番セカンドの菅原天空

決勝戦吉田君が弱音を吐いた相手が菅原君でした。

マウンドで下を向く吉田君に後ろから寄り添って

お尻をぽんっとしながら話していたのが印象的。

 

センターからマウンドの輝星君に

まっすぐを当てていたのが

5番大友朝陽

吉田君とのシャキーンのルーティーンで

全体にも 行くぞ! しめるぞ!の

スイッチを入れていました。

それを見ているみんなも一緒に

安心していたのでは。

8番キャッチャーの菊地亮太君は、

本当はバッティングが大好きなのに、

吉田君を活かすため

バッティングの練習を我慢して

吉田君の大事な居場所を創ることに専念。

ッチャーがすごい、と言われるときは 

受け止めるすごいキャッチャーがいます。

6番ファースト髙橋佑輔君は

高校野球人生初のホームランが

あの横浜戦の逆転3ラン

その陰には

「髙橋に打ってほしかった」

と言った菅原君からの想いのこもった背中ドン。

 

吉田君の歯固めおもちゃのような

打川和輝君は4番サード

高校では自分がエースになれなくていいから

吉田君と野球がしたいと金農に入った仲間。

決勝戦

最後のマウンドを託されたのが

地方大会から1度も登板していない打川

大阪桐蔭打線を見事に抑えた功績は

もっと注目されてもいい!

近江戦までヒットのなかった9番ショート斎藤璃玖君が

実はバント職人で、

ベンチで打席を待つ斎藤君に吉田君が肩を組み

「今まで打たなかったのは

このために神様がとっておいてくれたんだ。

お前が決めろ」

それに何度も力強く頷く斎藤君

そして全世界をのけぞらせるサヨナラ2ランスクイズ大成功へ。

 

その近江戦で

サヨナラのホームに滑り込んだのが7番ライト菊地彪吾君

あのタイミングで

チーム一の俊足がセカンドにいた偶然。

彪吾君「練習してたんで落ち着いて判断できた。

自信あったので、自分いけると思ったんで。」  cool!

ンバーのほとんど全員が「自分だったら狙わない。」

大友君が「その二人だったからできたのかなと思う」

吉田君は銀メダルをかけた彪吾君のほっぺにちゅっしていましたね。

そして

キャプテンの名前がなんと

2番レフトビッグドリーム=佐々木大夢

病気のため思うように野球ができなかった佐々木君に吉田君が

「お前がいないと野球にならない」と言って励ましたとか。

近江戦では

みんながサヨナラの歓喜に沸く中

バットをベンチに戻し

すぐさまホームで突っ伏したまま動けない

近江のキャッチャー有馬君に駆け寄る姿に

キャプテンの強さと優しさをみました。

誰一人欠けても金農の夏は生まれなかったんですね。

 

直後のU18で吉田君が

藤原君(大阪桐蔭)とシャキーンしたりとか、

柿木君(大阪桐蔭)と耳ひっぱり合いをしたりとか、

根来君(常葉大菊川)を膝に抱っこしていたりとか、

中川君(大阪桐蔭)の手の甲にちゅってしたりとか、

奥川君(星稜)の首に腕をまわして耳元で囁いたりとか、

あっという間にみんなの懐にはいっていくのを見ると、

すごいオキシトシン使いが現れた!と思わずにいられません。

 

そういう吉田君をみて、

金農ナインは

もしかしたら、ちょっとさびしくなったりしたかもしれません。

そんな金農ナインを心配していたファンもいるかもしれません。

 

でも、安心してください。

それは、心が狭いからではなくて、

オキシトシンのせいです。

 

オキシトシンは、

自分が守る対象を誰かが攻撃したり、

自分が誰かを守る行動を邪魔したりする人に対して、

攻撃的になったり排他的になったりさせる側面もあるのです。

 

だから

大切な人を守るための

ごく自然な脳内反応です。

それから

オキシトシンは、物理的にふれあっていなくても増減します。

オキシトシンの分泌が多い個体が側にいると、

周りにいる個体もオキシトシンが多いかのようなふるまいをします

(マウスの実験)

信頼できる人とアイコンタクトをしたり

下の名前で呼び合ってもオキシトシンが増加します。

 

誰かを想う気持ちが、自分の中にオキシトシンを増やし、

誰かが味方でいてくれると感じると、急な坂道が緩やかに感じられます。

(人間の実験)

 「登れる」と思いさえすれば、本当に登れてしまうものです。

きっと金農野球部のいるところ行くところ

オキシトシンが伝染し

 

日本中の人たちが金農の活躍を応援し

金農に勝ってほしいという祈りが

多くの人の中にオキシトシンを増やし

 

幸せな空気が日本中を包んでいったのでしょう。

 

 

結論

金農の軌跡を支えた要因の一つは

ふれあいによるオキシトシンの増加と

その相互作用、そして連鎖反応だった。


追伸 

みんな めごかった!

(秋田では めんけかった!かな)

野球エリートでもない

軟式野球少年たちにも

その親たちにも

とてつもない大きな夢を

ありがとうございました!


追伸:福井国体

試合前のノックの後

ひとり残ってホームベースをきれいにしていたのは

キャプテン佐々木君

吉田君 5回11奪三振 自己最速152キロ

三振にとられた漢人君(常葉大菊川) 

なぜか笑顔で仲間とハイタッチ

この日も

吉田君の想像以上を引き出して

その瞬間を真正面から見る特等席は

菊地亮太君の指定席

攻撃の火ぶたを切ってリズムをつくるのは

やっぱり菅原君

甲子園では大会記録にあと1本に迫る3塁打3本

先頭打者が3塁打を打つと

相手に与えるプレッシャーは相当なもの

6回から打川君が投川君に

侍ポーズがぎこちなかったけど

やっぱりナイスピッチイング

おまけに猛打賞

吉田君と向かい合ってやっていた

肩甲骨を後ろにぐっと引く皇帝ペンギンのような

不思議なポーズのおかげ?

髙橋君2本目のホームラン!!

これも吉田君と皇帝ペンギンをやったから?

彪吾君は飄々としているように見えて

猛打賞 打率1.00

そういえば彪吾君もやっていました 吉田君と皇帝ペンギン

全員安打ということにしよう!

斎藤君も打点1だから!

ラストが大友君のスクイズというところがまた

最後の最後にホームに帰ってきたのが吉田君

7-0 7回コールド

あまりに鮮やかな斬り口に

斬られた方が、気持ちいいくらいに感じてしまう。

負かした相手の悔しさを

次々と羨望と感嘆に変えていく。

選手も観客も

みんなを一気に巻きこんで味方にしてしまう。

それが金農の野球  

奈良間君(常葉大菊川)「終わりかた、かっこよすぎだろ」

吉田君「だって、俺たち金足だから、しょうがないじゃん」

もし野球の神様がいるのなら 神様 good job! 

いや、もしかして 

もう神様も手におえなくなっていたような

最後の試合。

金足農業 オキシトシン βエンドルフィン タッチケア チームワーク 


     金農ナインの名前から紐解く勝利の軌跡