発達障害と感覚統合のお話

7つの基本的な感覚と学習のピラミッド

私たちの感覚は、7つの基本的な感覚が土台になっています。

五感~ふれる(触覚)・嗅ぐ(嗅覚)・味わう(味覚)・聞く(聴覚)・見る(視覚)~と

バランス感覚(前庭覚)・筋肉と関節のセルフコントロール(固有覚)

これらの感覚が順番に積み上がり、

最終的には学問を学習することができるように成長していきます。

何かを学ぶことは、ピラミッドの頂点の部分になります。

ピラミッドですから、下からしっかり積んでいければ安定したピラミッドができます。

ピラミッド


ピラミッドを建てることを想像してみてください。

土台となる土地が中枢神経系です。

そこに最初に積む基礎となる部分に触覚と前庭覚と固有覚があります。

五感の中で触覚だけが最初の段にあります。

2段目が嗅覚、味覚、聴覚、視覚です。

ということは、土台の工事が終わらないうちに屋根をかけようとするのは不自然なことですよね。

それぞれの感覚の役割がはっきりと分化し高度に発達した私たち人間は、

触覚(ふれる感覚、ふれられる感覚、肌感覚)の土台としての重要性に気づいていないことが多いです。

しかし、実は

触覚がすべての感覚の基礎となっているといっても

過言ではありません。

触覚は別格なのです。

触覚の体験の積み重ねは、しっかりとした土台を創るためにとても重要です。


感覚統合と発達障害

7つの感覚は意識するしないにかかわらず、常に脳へ信号が送られています。

別々の場所からインプット(受容)されたそれぞれの感覚が、

脳内の別々の場所へ届き、

前頭葉という部分で情報が取りまとめられて、

どうするか(行動や言葉や感情の表出など)が判断され、

アウトプット(実行の命令)が出されます。

この、インプット、伝達、アウトプットという一連の流れがスムーズにいっていて

見た目にも「おかしくない」と、「普通の人」と言われます。

発達障害というのは、

ピラミッドの土台になる7つの感覚のいずれかに

大きな凸凹があって不安定な状態だと考えられます。

そして、

インプットの仕方

伝達の経路

アウトプットの仕方

それぞれに特徴があり

見た目に「変わっている人」にみられてしまう状態です。

でも、そもそも

「普通」と「変わっている」の境界はどこにあるのでしょうか?

誰が決めるのでしょうか?

感覚の凸凹自体は、だれでも持っています。

得意なことも違います。

苦手なことも違います。

虹がどこからどこまで何色、と

はっきり決まっているわけではないのとも似ています。



「普通」の人が安定したピラミッドを築いている訳でもありません。

補いあってバランスをとっているのです。

不安定さが人目について

誰かがそのことによって迷惑をこうむったり、

不安定さのために本人が困っていたり、

そういう時に発達障害といわれるようになります。

逆に考えると

誰にも迷惑をかけていなくて、

本人も困っていなければ

同じ症状であってもそれは発達障害でもなんでもないのです。


タッチケアと発達障害

撫でたりさっすたり、温めてたり、軽くもんだりすることで、

皮膚はもちろん、筋肉や関節にも心地よい刺激を与えることができます。

抱っこしたり、おんぶしたりしながら、歩いたり揺れたり、

高い高いなどもふれあい遊びをしたりすることで、

バランスの感覚も育まれていきます。

抱っこ

タッチケアは

ピラミッドの1段目~触覚・前庭覚・固有覚~に働きかけて

土台を整える役割があります。

「そうはいっても、うちの子はふれられることが嫌いです」

という方も多いかもしれません。

そういう時には、こんなヒントがあります。


感覚過敏がある場合のタッチケア